持ち込まれた死体は全体が焼けこげていて見る影もなく、ただその物体は、人の亡骸に対して物体とは、なんて罰当たりなと、おしかりを受けるかもしれないが、何せ、そのものはとてつもなく我々に恐怖を抱かせるのである。
人知を越えた奇妙な、かつて生物であったらしいそのものの姿は獣のような、爬虫類のような、はたまた魚類のようで、どことなく昆虫的な造形も漂わせている。様するに今まで見たことも聞いたこともない想像を絶するモノであるが、何か基本的造形性の中に、人間的要素を伺うことが出来る。
事件の現場に居合わせた人の証言によると。確かにそのものは人間であったと証言しているらしい。
しかしスクリーンに映し出されたモノは、明らかに、我々とは異なった細胞組織をなしているのである。
それは、細い血管のような管状のモノが何本も無数に配列されている。ただそれらの組織の中に、我々と共通するモノもあった。