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-novels space-

- 夢見妙 -
yumemimyou

第二章 ミセス・ロビンソン


・・・八  フタニ?・・・


 「最初にベンソンの部屋から荷物をプレイルームに出す、そしたら俺の荷物を空いたベンソンの部屋に移すから、その後リュウが俺の部屋に移し最後にベンソンの荷物をリュウの部屋に移す、これでいいな、ヨシ、作業にかかれ」作戦指揮をするかのように、独断的に計画を進めて行く竜人。
「エッ、なに、どうしたの?」トボケているのか天然なのか、頭の上の方から拍子抜けな、台詞が飛び込む。
「きっみー、ベンジャミン何も聞いてなかったのか、早く部屋から荷物を出したまえ、ベンソン二等兵」少々呆れ顔で命令口調の竜人。
「あっ、ワシからやるのか、それならそうと早く言ってくれたまえ、君ぃ」
「なにが君ぃかね、だからさっきから言っているじゃないか」
「そんな事はどうでもいいからさ、グダグダ言ってないで早くやろうよ」龍生は、先ほどから黙って聞いていたが、痺れを切らして口を挟んだ。
「まず、プレイルームを片付けて置き場所を作る、その後各自自分のものを整理して移動準備をする、わかったかなーぁ」竜人がまたしても指揮をする。
「了解、ただいまよりローテーション計画開始いたします」竜人に調子を合わせて二人とも敬礼をした後行動をはじめる。
「サッ、やろっと」自分の部屋に入って大体の準備ができた所で、ベンの荷物を運ぶ手伝いをする。
「竜崎、適当にそこら辺のものを部屋の外に出しておくぞ、いいな?」
「かまはないから出しといて」ベンの部屋のものがだんだん少なくなるにつれて、プレイルームは荷物でごった返してくる。二人でセッセと運んでいると、そこに竜人もやってきた。
「どうかね、作業ははかどっているかね? まだだいぶある様だね、仕方ない手伝ってやるとするか」
「ゴタゴタ言ってないで早くやろうぜ」龍生は、このゴタゴタ状態から脱出するため早い事この作業を片付けてしまいたかった。
「ジーンの荷物、空いた所に運び始めていいんじゃないの?」
「オッ! そうだな、それじゃあ、運び始めるとするか」 ジーンの荷物を半分ぐらい移したころ。
「リュウちゃん! 半分スペースが空いたから運び込んでもいいぞ」今度は龍生の荷物を竜人の部屋に運び始めるのだ。お互いに運び込む者出す者と部屋の入り口で鉢合わせするなどてんやわんやの大騒ぎである。
「オイ、竜崎、もう僕の所に運び込んでもいいよ」龍生が声をかける。
「エー! 今度はそっちへ運び込むのか、倍疲れるな」
「こっちがすんだら手伝ってやるよ、なあ、ジーン」龍生は竜人に振ったのだが聞こえなかったのか何も返事をしなかった。




  そうこうしているうちに外も薄暗くなっていた。今日は一日中この作業である。どうやらそれぞれの部屋に荷物も納まり、後は各自が自分の部屋の整理をすればいいだけである。
「あー、腹がヘッタベシィ」ベンが変ななまりで言った。
「あっ、僕も! そろそろ夕飯にしないか? ジーン、なんか作ってくれよ」
「仕方ないな、なんかおいしいものを作るか、リュウちゃん、材料使うぞ」
「いいよ、適当に使って」竜人は冷蔵庫の扉を開け準備を始めた。
「トマトもあるしオレンジ・スプーキーにするか」竜人が食事の準備をしている間、龍生はプレイルームとテーブルの上をかたずけていた。ベンは自分の部屋をまだかたずけているようである。
「オーイ、いつも使っている鍋のフタは、何処にいったか知らないか」部屋中がごった返していたため当然台所もである。
「ないな、仕方ないこれをフタにして、フタニして、んっ、フタニ? フタニ、♪キンコキンコッキキンコキン、♪フタニ〜♪アヤ ♪フタニ〜♪」竜人が叫びながら鍋のフタやコップをたたきリズムをとりだした。龍生もボンゴやマッチの入った缶を振りながら箸でたたきリズムを合わせ叫んだ。
「♪カンコキンカサカサカサカ♪ フタニ♪ フタニ〜アヤ♪フタニ〜♪トントコトン」 ベンも油絵のキャンバスを太鼓代わりにたたいて合わせてきた。
「♪フタニ♪ ドンドコドンドコドンドコ♪ フタニ♪」アフリカン・パーカッションの出来上がりである。この行為はしばらく続いた。
「さあ、このくらいにして食事にしようか。後で今のを録音してみような」竜人がそう言ってまた食事の準備をはじめた。
 大きな鍋にこってりと盛られたトマトベースの料理、トマトがとろけていて文字通りオレンジ・スプーキーである。スプーキーの意味は、気味の悪いとか幽霊のようなと言った意味で、ただ気に入った言葉だからつけただけである。
 その後スプーキーサウンドと言う曲も作る。もちろん三人での合作である。後に聞いた話によると、この曲のテープをラジオの音楽番組に送ったところちょっとした賞品をもらったとかで、まあ思い出のひとつである。
「あー、疲れたなあ、まずビールでも飲もうか」ビールを飲むまではと、みんなは、のどが乾いていたが我慢して待っていた。こういった時のビールがなんとも、うまいのである。
「それでは、お疲れさん、カンパーイ、うまい! やっぱし、これだな」


九  恐ろしき、その姿はゴリラーマンにつづく

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♪フタニ♪


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