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第二章 ミセス・ロビンソン


・・・一五  さすらいのアリス・・・


 相変わらずのマイペース振りで元気に気ままなキャットライフを送っていたアリスであったが、それはアリスが来て二度目の冬休みが終わって一ヶ月後のことであった。
「戻ってこないな、ヤッパリちょっと、からかい過ぎたかな」二ヶ月以上戻ってこないので、さすがに、龍生も心配気味である。
「アリスもバカじゃあないから、ここに居てもしょうがないことくらい分かるんじゃないかな、きっと、もっと快適なところで飼ってもらっているよ」ベンは諦め顔で言う。
「それもそうだよな、ここに居ても別にいいこともないしな、帰ってこないのも無理もないか」龍生は、もうちょっと可愛がってあげれば良かったと、多少悔やまれた。
「今年の冬休みは、ほとんどハウスには居なかったからな、世話できなかったしな、アリスだって生きていかなきゃ仕方ないし、餌を探して何処かをさすらっているのかもな」
少し傷愴感に駆られる龍生であった。
「去年の冬休みの後にはちゃんと戻ってきたのにな、やはり見切りをつけたのかな」ベンもあまり顔には出さないものの、やはり、ガッカリした様子である。そんなこんなでその後アリスは二度と帰ってこなかった・・・・・・・・。
余談、風の噂に聞くところによれば、隣町で見かけたとか見かけないとか。〈見かけたのか見かけなかったのか、どっちなんだ、はっきりしろ! それにそんな噂だれがしているっていうんだ、あーっ!〉




 


一六 バイバイ、ミセス・ロビンソン

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